お知らせ
【録画視聴可能!】「小さな一歩から、社会は変えられるー不登校支援を広げる行政連携のはじめ方」開催レポート
2026年5月30日(土)、オンライン講座「小さな一歩から、社会は変えられるー不登校支援を広げる行政連携のはじめ方」を開催いたしました。名古屋市多様な学び応援会代表の安藤亜衣さん、不登校児童生徒の多様な学びの機会確保を願う 会代表の加藤絵里子さんにご登壇いただきました。ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました。
☆録画動画はこちらからご覧いただけます。

▼今回ご登壇いただいたのは
安藤亜衣(あんどう あい)
名古屋市多様な学び応援会代表
2024年4月、フリースクールに通う子どもを持つ保護者と共に「名古屋市多様な学び応援会」を設立。学校以外の学びを選ぶ子ども達や家庭が安心して過ごせる社会を目指し、フリースクール等に通う児童への助成金申請の働きかけを行う。現在は愛知県周辺の多様な学びや保護者支援の情報を届けるポータルサイトやNPO立ち上げに向けて活動中。名古屋市在住、中1・小5・小2の三児の母。
加藤絵里子(かとう えりこ)
不登校児童生徒の多様な学びの機会確保を願う会代表
元ホームスクーラー二児の母。子どもが不登校になって悩んだことはなかったが、不登校を取り巻く現状を知り、”今の子どもが子どもであるうちに”を根底に、公学校以外の多様な学びの保障を市と県に働きかけ実現へと繋げる。現在は、住む場所による保障の格差をなくしたい思いで自治体から広がるよう活動継続中。
▼講座を視聴して
今回、多様な学びプロジェクトの講座「小さな一歩から、社会は変えられるー不登校支援を広げる行政連携のはじめ方」に参加しました。講座のタイトルを見たときは、行政への働きかけ方や政策提言の方法を学ぶ内容なのだろうと思っていました。しかし実際にお話しを聞いてみると、それ以上に心に残ったのは、一人の保護者の困ったという声が、社会を変える力になるということでした。
講座の冒頭では、多様な学びプロジェクト代表の生駒千里さんから、活動を始めたきっかけが語られました。自身のお子さんが不登校になった経験から、不登校家庭への心理的・物理的な支援の少なさを実感したこと。そして、なぜこんなにも長い間、状況が変わらないのだろうという問いから活動が始まったそうです。
生駒さんのお話しの中で印象的だったのは、不登校が長らく本人や家庭の問題として捉えられてきたことへの問題提起でした。学校に行けないのは本人の性格や家庭環境が原因だと考えられる一方で、社会や学校の側が変わろうとする視点が不足していた。その結果、必要な支援や情報が届かず、多くの家庭が孤立してしまう。そうした現状を変えるために、多様な学びプロジェクトでは居場所の見える化やオンラインコミュニティづくり、全国調査や政策提言などを続けてきたそうです。
そして今回の講座では、実際に行政を動かし、フリースクール利用家庭への支援制度の実現につなげた二人の保護者の方のお話しが紹介されました。
一人目は名古屋市で活動する安藤亜衣さんです。安藤さんは、お子さんの不登校をきっかけにフリースクールを利用するようになりました。しかし、安心して通える場所が見つかった一方で、今度は費用の負担という新たな課題に直面します。フリースクールには月数万円の費用がかかり、送迎や働き方の変更なども重なります。同じ悩みを持つ保護者と話す中で、東京都などでできている支援が名古屋でもできるのではないかと考え、仲間とともに活動を始めました。
安藤さんのお話しで印象的だったのは、まず団体をつくるという考え方です。個人の困りごとではなく、社会課題として伝えるために保護者の会を立ち上げ、アンケート調査を実施しました。さらに教育委員会や全会派の議員へ要望書と調査結果を届け、議会での質疑や報道機関への発信につなげていきました。活動の中では、議員さんとの信頼関係を築くといった具体的な工夫も紹介されましたが、その根底にあったのは子どもたちのために社会を変えたいという強い思いでした。結果として、名古屋市ではフリースクール利用家庭への助成制度が実現することになります。

二人目は神奈川県で活動する加藤絵理子さんです。加藤さんは子どもが不登校になったこと自体では悩まなかったと語られていました。しかし、不登校になった途端に選択肢が限られてしまう社会の仕組みに疑問を感じたことが活動の原点だったそうです。
加藤さんが繰り返し話されていたのは、知ってもらうことの大切さでした。不登校を取り巻く現状を知らないから政策が進まない。だからこそ、署名活動やメディア取材、議員との対話を通じて社会に伝え続けたそうです。また、困っていることに自信を持ってほしいという言葉も印象に残りました。困りごとは個人の弱さではなく、社会が改善すべき課題かもしれない。その声を上げることは、自分のためだけでなく、同じように悩む誰かのためにもなるというメッセージでした。

お二人の話を聞いていて感じたのは、社会を変える人というのは特別な人ではないということです。行政の経験があったわけでも、政策の専門家だったわけでもありません。子どものことで悩み、このままではおかしいと感じた一人の保護者でした。それでも、仲間を集め、声を集め、伝え続けたことで実際に制度が変わっていきました。
私自身も長男の不登校を経験し、多くの親の会や居場所、支援者の方々に支えられてきました。その中で感じるのは、今ある支援や制度も、誰かが声を上げ続けてきた結果だということです。当たり前に見える制度の裏には、困っていますと勇気を出して伝えた人たちがいます。
講座のタイトルにあった「小さな一歩から社会は変えられる」という言葉は決して大げさではありませんでした。一人の声は小さいかもしれません。しかし、その声に共感する人が集まり、データを集め、対話を重ねることで、やがて社会を動かす力になります。
不登校に限らず、子育てや教育、地域の課題など、こうなったらいいのにと思うことは誰にでもあると思います。そんなとき、どうせ変わらないと諦めるのではなく、まずは声にしてみる。その小さな一歩が、未来の誰かを救うことにつながるのかもしれません。
今回の講座は、行政連携のノウハウだけでなく、市民一人ひとりが社会をつくる当事者であることを改めて感じさせてくれる時間でした。私自身も、自分にできる小さな一歩を積み重ねていきたいと思います。
▼講座を参加された皆さんの声
・発表者の方、NPO多様な学びプロジェクトの活動、学ぶことばかりでした。(家庭教育支援員)
・具体的に行政が動いた話が聞けました。議会はいろいろだし、担当課もいろいろなので、話が通る方を見つけられるまで、多様なアプローチをするのが良いのだろうと思いました。(市議会議員)
・まずは団体を作ることが必要、アンケートまたは署名を集める、議員さんは彼氏と思え、出かけるときはきちんとした服装で、公約や広報などもチェックして、などなど、とても勉強になりました。(保護者)
・探してもなかなか辿り着けない、貴重なお話だと思います。「陳情」や「請願」、「要望書」や、行政の方や議員さんとの連携の仕方、諦めない心、柔軟な対応などなど、何回も繰り返し見たくなる動画です。アーカイブ動画になるのを楽しみにしています。スピーカーの皆さまが「多様な学びが当たり前に」を目指してさまざまな活動をしていらっしゃるのが頼もしく、ありがたいです。勇気をもらいました。(保護者)
▼録画動画について
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