読みもの
【開催レポート】「学校が苦手な子を支える保護者や支援者のためのオンライン相談会」(登壇:西野博之氏)
2026年10月21日(水)、会員限定企画「学校が苦手な子を支える保護者や支援者のためのオンライン相談会」を開催いたしました。認定NPO法人フリースペースたまりば理事長の西野博之さんにご登壇いただきました。ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました。
☆録画動画はこちらからご覧いただけます。

▼今回ご登壇いただいたのは
西野 博之(にしの ひろゆき)
1960年、東京都生まれ。認定NPO法人フリースペースたまりば理事長。
川崎市子ども夢パーク、フリースペースえんなど、各事業の総合アドバイザー。精神保健福祉士、神奈川大学非常勤講師。
1986年より学校に行かない子どもや若者の居場所づくりを行う。文部科学省「フリースクール等に関する検討会議」委員など数々の公職も歴任。NHKをはじめとするメディアにも多数登場。
2021年まで15年間、川崎市子ども夢パークの所長を務め、22年にはそこで過ごす子どもたちの日常を描いたドキュメンタリー映画「ゆめパのじかん」が公開された。
▼講座を視聴して
子どもが学校に行けなくなると、いつまで見守ればいいのだろう、そろそろ背中を押した方がいいのではないか、と悩むことがあります。何もしないままでいいのだろうか。でも、無理に動かして、また苦しくなってしまったらどうしよう。子どものことを思うからこそ、親も迷い続けます。
先日、多様な学びプロジェクトの「学校が苦手な子を支える保護者や支援者のためのオンライン相談会」を視聴しました。講師は、40年以上にわたり学校に行きづらい子どもたちの居場所づくりに携わってきた西野博之さんです。
今回のテーマは、「親が子どもの背中を押すタイミング」。保護者から寄せられたさまざまな相談を通じて、子どもの自己決定を尊重することや、親が先回りしすぎないことの大切さを考える時間となりました。
① 中学校の進路は、いつから考えればいい?
最初の相談は、小学4年生のお子さんの進路についてでした。現在はオンラインフリースクールに参加していますが、対面のフリースクールには行きたがらず、保護者は中学校の進路や情報提供の方法について悩んでいました。
西野さんは、まだ小学4年生であり、今から進路を決めようと急ぐ必要はないのではないかと話されていました。
特に印象的だったのが、「親の良かれは子どもの迷惑」という言葉です。
親は子どもの将来を思い、少しでも良い環境を探そうとします。しかし、親が先回りして選択肢を示し続けることで、かえって子どもが考えることをやめてしまう場合もあります。
大切なのは、本人の知りたい、わかりたい、やってみたい、という気持ちに寄り添い、必要なタイミングで情報を届けることなのだと感じました。
② 子どもの背中を押すタイミングはいつ?
二つ目は、不登校4年目の小学5年生のお子さんについてでした。週に1回ほど学校へ遊びに行き、ときには授業や行事にも参加しています。保護者は、そろそろ背中を押すタイミングではないかと感じていました。
西野さんは、子どもが暇だと言い始めたときが、一つのタイミングになると話されていました。
十分に休み、遊び、自分の時間を過ごす中で、何かやってみたい、どこかへ行ってみたいという気持ちが自然と湧いてくることがあります。
大切なのは、親を喜ばせたいから動くのか、それとも本人が本当に動きたいと思っているのかという視点です。
親が今が押し時だと判断するのではなく、子ども自身の気持ちが動き出す瞬間を大切にしたいと感じました。
③ 子どもが周囲に迷惑をかけてしまうときは?
三つ目は、小学4年生のお子さんの人間関係についてでした。フリースクールなどで楽しくなると、他の子にいたずらをしたり、人との距離感が近くなったりすることがあり、保護者は周囲に迷惑をかけているのではないかと悩んでいました。
西野さんは、子どもは失敗しながら人との関わり方を学んでいく。
「迷惑をかけあって、お互い様」とおっしゃっていました。
もちろん、他の子どもが傷つくことを放置してよいわけではありません。しかし、親がすべてを先回りしてしまうと、子ども自身が人間関係を学ぶ機会も失われてしまいます。
失敗したときには一緒に向き合いながらも、家庭では安心できる存在であり続けることが大切なのだと感じました。
④ 特別支援学級への移籍を勧められたら?
四つ目は、小学2年生のお子さんについてでした。現在はフリースクールや学校内の居場所で安心して過ごせるようになっていますが、スクールカウンセラーから特別支援学級への移籍を勧められ、保護者は判断に迷っていました。
本人の答えは、「今のままがいい」。
西野さんは、その言葉を大切にしてほしいと話されていました。
支援学級も大切な選択肢ですが、大人が良かれと思って勧めた環境が、必ずしも本人に合うとは限りません。
学校や支援者から提案を受けたときに、本人に聞いてみますと伝えること。子ども自身を意思決定の中心に置く姿勢が大切なのだと感じました。
⑤ 子どもの進路や挑戦を、どこまで見守ればいい?
最後は、大学受験で浪人している娘さんについてでした。現在はアルバイトをしながら自分で予備校代を払い、楽しそうに過ごしていますが、保護者は志望校に合格できるのか心配していました。
西野さんは、本人が自分で働き、考えながら生活していることを肯定的に受け止めていました。
志望校に合格することだけが幸せではありません。希望とは違う道を歩んだとしても、そこで新しい出会いや経験が待っているかもしれません。
親ができるのは、食事や睡眠など健康を気にかけながら、本人の選択を尊重すること。子どもの可能性を信じて見守ることも、大切な支援なのだと感じました。

今回の相談会を通して、どの相談にも共通していたのは、「子どもの人生は、子ども自身のもの」という考え方でした。
親は子どもの将来を心配するあまり、つい先回りしてしまいます。
もっと勉強してほしい。もっと外に出てほしい。もっと人と関わってほしい。もっといろいろなことに挑戦してほしい。
私自身も、長男が不登校になってから、そんな思いを何度も抱いてきました。そして今も、頭では子どもの自己決定が大切だと理解していても、いざ自分の子どものことになると、なかなか難しいと感じることがあります。
だからこそ、子ども自身の「知りたい、わかりたい、やってみたい」という気持ちを、もっと大切にしていきたいと思いました。
子どもが動き出すタイミングは、大人が決めるものではありません。親ができるのは、安心して休み、遊び、自分の好きなことを見つけられる環境をつくり、本人がやってみたいと思ったときに応援することなのかもしれません。
「親の良かれは子どもの迷惑」。
少し耳の痛い言葉ですが、子どものためを思うからこそ、忘れずにいたい言葉です。
子ども自身が考え、悩み、失敗しながら、自分の人生を選んでいけるように。私自身も、答えを急がず、子どもの思いに耳を傾けながら、一緒に成長していきたいと感じた相談会でした。
次回の「学校が苦手な子を支える保護者や支援者のためのオンライン相談会」は
2027年1月20日(水)20:00〜21:00 に開催予定です!
とまり木オンライン限定イベントになります。詳細はこちらから
またぜひご一緒できるのを楽しみにしています。
▼講座を参加された皆さんの声

・定期的に西野さんの話が聞ける貴重な場で、本当にありがたいです。揺れ動く私の心を、心強く支えてくださっています。(保護者)

・似たような年代のみなさんのお悩みに対しての回答が参考になりました。チャットでの質問にも直接回答頂き、背中を押していただけた感じがしました。(保護者)

・話し方、雰囲気があったかくって、やさしい、おだやか。心が緩まる感じです。(保護者)
▼録画動画について
☆当講座の録画動画はこちらからご覧いただけます。
会員登録で全編視聴可能です。
とまり木オンラインはお試し7日間無料。お試し期間も下記の全機能が使えます。
>月1,980円で毎月のオンライン講座が受講できます
>過去のオンライン講座のアーカイブ動画が視聴可能になります
>「保護者のためのおしゃべり会」や支援者交流会、さまざまな会員向け交流イベントに参加できます