お知らせ

【録画視聴可能!】本田秀夫先生と考える「発達特性のある子と不登校」開催レポート

2026年9月20日(土)、オンライン講座「発達特性のある子と不登校」を開催いたしました。

信州大学医学部 子どものこころの発達医学教室 教授・本田 秀夫さんにご登壇いただきました。

ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました。

☆録画動画はこちらからご覧いただけます。

▼今回ご登壇いただいたのは

本田 秀夫(ほんだひでお)氏

信州大学医学部  子どものこころの発達医学教室 教授

信州大学附属病院子どものこころ診療部 部長。長野県発達障がい情報・支援センター「といろ」センター長。
1988年東京大学医学部卒。医学博士。専門は発達精神医学。1991年から横浜市総合リハビリテーションセンターで約20年にわたって発達障害の人たちと家族の支援に従事。2011年4月、山梨県立こころの発達総合支援センター開設に伴い、同所長に就任。2014年4月より信州大学附属病院子どものこころ診療部部長。2018年4月より信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授。2023年4月より長野県発達障がい情報・支援センター「といろ」所長を兼務。日本自閉スペクトラム学会理事長。日本児童青年精神医学会理事。日本精神科診断学会理事。日本成人期発達障害臨床医学会理事。日本自閉症協会理事。

▼講座を視聴して

はじめに〜「学校に戻す」ではなく、その子に合った環境を考える

子どもが学校に行けなくなると、どうしたら学校に戻れるのだろうと考えてしまいます。でも、もしかすると考えるべきなのは、子どもを学校に戻す方法ではなく、その子にとって、どんな環境なら安心して学び、育つことができるのか、なのかもしれません。

先日、多様な学びプロジェクトの「本田英夫先生と考える 発達特性のある子と不登校」を視聴しました。

講師は、信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授で、長野県発達障がい情報・支援センター「といろ」のセンター長も務める本田秀夫先生です。

今回は、発達障害を専門に30年以上の臨床経験を持ち、これまで数多くの子どもたちを見てきた本田先生の視点から、発達特性のある子どもたちと学校との関係についてお話しいただきました。

最初に印象に残ったのは、「すべての子どもが達成できる可能性があるもの」それは、「幸せになること」、というお話でした。

能力や健康状態には一人ひとり違いがあります。

しかし、自分は幸せだと感じることは、それぞれの人に可能性がある。

教育も、本来はその幸せにつながるものであるはずです。ところが、学校がその子に合わない環境になってしまえば、教育そのものが大きなストレスになることがあります。

1.学校に行きづらくなる前に、子どもに何が起きているのか

実際に、学校へ行きたくない理由として、「学校の居心地が悪い」「授業がよく分からない」「友達とうまくいかない」「学校の騒がしさや大きな音が嫌」など、学校生活そのものに関係する理由が挙げられているというお話がありました。

そして、とても心に残ったのが、登校しぶりが見え始めた時には、子どもの悩みはすでに後半に入っている、というお話です。親や先生からすると、朝になって突然学校に行きたくないと言い始めたように見えるかもしれません。

でも、その前から子どもの中では、「授業が分からない」「音がつらい」「友達との関係が苦しい」など、小さなストレスが積み重なっている可能性があります。腹痛や頭痛、吐き気など、身体の症状として現れることもあるそうです。

だからこそ、どうすれば学校へ行けるかだけではなく、この子は、これまで何に困っていたのだろう、と考えることが大切なのだと思いました。

2.「その子らしい育ち」を保障するということ

次に、本田先生から神経多様性(ニューロダイバーシティ)という考え方についてお話がありました。

発達特性を治して定型発達に近づけるのではなく、その人がもともと持っている特性に合った育ち方を保障していく。
発達がゆっくりな子には、ゆっくり教える。
得意なことは、その得意さを生かす。
苦手なことは、その子に合った方法やペースを考える。

みんなと同じようにできるようにするのではなく、その子なりの育ち方を保障する。

この考え方は、不登校を考える上でも、とても大切だと感じました。

3.「頑張れている子」ほど、無理をしていることもある

発達特性のある子どもの中には、興味の偏りが大きい子、感覚過敏のある子、予定外の出来事への対応が苦手な子、周囲に合わせようと頑張りすぎてしまう子もいます。

その中でも、過剰適応の話がでました。学校では問題なく過ごしているように見える。先生から見れば、むしろ頑張っている子に見える。

でも、家に帰ると疲れ切っている。

そして、ある日突然、学校へ行けなくなることもある。

学校で楽しそうにしているから大丈夫とは限らない。

表面的な行動だけではなく、その子がどれだけ無理をしているのかを見ることの大切さを感じました。

4.不登校になる前から、多様な学びを

また、本田先生は学びの多様化学校についても触れられていました。

不登校になった後に、初めて別の学び方が選択肢として出てくる。

しかし、本来であれば、不登校になるまで我慢するのではなく、不登校になる前から、その子に合った多様な学び方が保障されてもいいのではないかというお話でした。

この言葉も、とても心に残っています。

5.学校に戻すことより、まず安心できる場所を

そして、すでに学校に行けなくなっている子どもへの対応について、本田先生は学校に戻すことを目標にする必要はないと話されていました。

まず大切なのは、家庭で親子関係を良好に保つこと。

不登校の子どもは、家にいるからといって、必ずしも安心して休めているわけではありません。

みんなは学校に行っているのに、自分は休んでいるという後ろめたさを抱えていることもあります。

そこに「家にいるなら勉強くらいしなさい」「明日は学校に行くの?」といった言葉が重なると、家にいても休むことができなくなってしまいます。

だからこそ、まずは本人が安心して、ゆったりと過ごせる環境をつくることが大切だというお話でした。

6.わが子の不登校を振り返って

私自身も、長男が学校に行けなくなった頃は、どうすれば学校に行けるのかということを必死に考えていました。

学校まで一緒に歩いたり、抱っこして連れて行ったり、車で送ったり、学校や行政、病院に相談したり。当時は学校へ行くことを中心に考えていたように思います。

でも、今振り返ると、もっと早く、「この子を学校にどう合わせるか」ではなく、「この子にはどんな環境が合っているのか」と考えられていたら、親子ともに少し違った時間を過ごせていたかもしれません。

おわりに〜すべての子どもに、多様な学びの選択肢を

学校に行けることだけがゴールではありません。
学校が合う子もいる。
少人数の環境が合う子もいる。
家で学ぶ方が力を発揮できる子もいる。
好きなことから世界を広げていく子もいる。

子どもが学校に行けなくなってから別の選択肢を探すのではなく、困り始める前から、いろいろな学び方を選べる社会になってほしい。

「この子をどう変えるか」ではなく、「この子が安心して育つために、環境をどう変えられるか」。

今回の本田先生のお話を聞きながら、子どもの特性を理解することは、その子を何かの型にはめるためではなく、その子に合った選択肢を一緒に探していくためなのだと改めて感じました。

一人ひとり違う子どもたちに、一人ひとり違う学び方があっていい。そんな多様な学びが、不登校になった後の選択肢ではなく、すべての子どもに最初から開かれている社会について考える、学びの多い講座となりました。

▼講座を参加された皆さんの声

参加者の声スタッフ

・今、不登校になりつつあるお子さんに寄り添っています。自分がしている関わりはそのお子さんにとって、大切なことなのか、考える日々です。お母さまとも、よく時間を作って話をしていますが、そのお母さまへのアプローチも学ぶことができました。これから、どうお子さんの様子が変化していくのか、今はわかりませんが、笑顔が出るようにスタッフと一緒に考えていきたいと思います。(放課後等デイサービス)

・とまり木オンラインさんの講座はとても魅力的な内容が多く、学びが多いです。交流会も自分が参加してしまって大丈夫かな?と思っていましたが、参加するといろいろな人と話ができて良かったです。ありがとうございました。(保護者)

・私は外来で子どももみる内科の医師(家庭医)ですが、「小児科の医師の言うことは聞かなくていい」というフレーズ、診療で使わせていただきます。同僚との軋轢を産まない範囲で(笑)不登校大全は素晴らしい書籍です。教員養成過程の必読書だと思いますし、文部科学省の役員も全員今すぐに読んで欲しいです。

素晴らしいご講演ありがとうございました。(保護者, 医療・介護)

▼録画動画について

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